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2. 漏出防止工の施工
2−1 工事概要
(1)工事内容
漏出防止工に使用する粘性土は、地盤改良で発生する盛上がり土砂を使用した。浚渫工は8m3グラブ船浚渫船を用い、600m3積土運船2隻で交互に運搬した。船舶機械一覧:を表−1、標準断面図を図−7に示す。
?浚渫土揚土
土運船により運搬されてきた浚渫土砂はPMC船のバックホウ(バケット容量4.5m3)により加振式のメッシュスクリーンを装備したホッパー内に取り込まれる。
?)セメントスラリーの供給
PMC船には100tサイロを4基搭載したセメントサイロ船が常時接舷されている。サイロ船からエア圧送により搬入されたセメントは、PMC船のチャージホッパーに保管される。スラリープラントは、小型バッチ方式で固化材量と水量を計量し、アジテータミキサーで十分混合・撹拌された後、スラリーポンプにて直接混練後内に注入される。
?混合
浚渫土砂は、順次混練機内に注入されたセメントスラリーと混合する。混練機は送り出しと混練が同時に出来る様スクリュー式とパドル式を一体化したもので、混練されたPMCは圧送機に送りまれる。
?混合土の圧送
混合の終了したPMCは、油圧式圧送ポンプ(600m3/h)使用し、圧送スピードを調整(250m3/h)して圧送する。
?水中打設
圧送配管は、中間部をフレキシブルホース、先端部を銅製パイプで構成されている。打設管の昇降は、船首に設置された昇降用タワーとウインチ及びフレキシブルホースのデッキ上取込み装置によって行われる。圧送時の吐出圧によって改良土が横方向に押し流される現象を防ぐために、打設管の先端は改良土天端より1.0m程度上方に位置する高さに調整して水中打設を行った。事前の打設実験では自由落下による分離や環境への影響について調査し、模型実験で打設管形状や打設方法について検討をおこなった。

Table.1 List of E」?loyed Vesse1s and Machines

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Fig.7 Typical cross section

(2)打設要領
設計勾配(1:3)の範囲内でPMC法面を形成するために基礎マウンドの現況を考慮した方法を行った。
まず基礎マウンド法先部と地盤改良盛上がり部の凹部分には浮泥が堆積しているので、打設当初はこの部分の浮泥を排除しながら打設した。また、打設したPMCが滑り破壊によって流出しないよう一定量をピンポイントで千鳥に打設し、多層に積み上げながら法面を形成する方法を採った。打設量と打設ピッチは、概ね法肩部は20〜30m3/ヶ所、2mピッチ、法先部は50〜100m3/ヶ所、4mピッチを目安とした。横断方向の打設順序(図−8参照)は、設計勾配以内で収まるよう目標勾配を1:2.5に設定し、下部から上部に打ち上げた。また、縦断方向については最大100m程度移動しながら打設した。

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Fig.8 Work Sequence of Longitudinal Section

 

 

 

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